リレーの構造と動作原理
リレーの構造や動作原理について説明を行ないます。
リレーとは
リレーとは、鉄芯に巻かれた電気信号(電流)を受けるコイル(電磁石)と電気の開閉(流す/流さない)をする接点(スイッチ)で構成されます。
リレーの動き
鉄芯に巻かれたコイルに電気(小電流)が流れると、電磁石の働きで可動鉄片が引き寄せられ可動接点が固定接点に接触し、回路がつながることで電源(バッテリー)から直接、電装品へ電気(大電流)を流すことが出来ます。
リレーを使用するメリット
- リレーを組み込むことで、車両側への負担軽減が図れます。
(車両側ヒューズ切れや電圧降下による電装品への影響などを防ぐことが出来ます。) - 電装品へ安定した電気を供給することが出来ます。
(電圧降下による作動不良や誤動作を軽減することが出来ます。)
リレー内部の構造イメージ
リレー内部の構造と各部位の名称。
リレーの動作原理
- 『端子A』~『端子B』間に電気(小電流)を流します。
- 『端子A』~『端子B』間に電気を流すと、『コイル』に電気が流れ磁場が発生します。
※コイルとは、銅線(エナメル線)を同じ方向に多数巻いた部品のことを指します。 - この『コイル』に発生した磁場により、『鉄芯』に磁力が生じて磁石となります。 この状態を電磁石といいます。
- この電磁石により、『可動鉄片』が引き寄せられ、『固定接点』と接触します。
『端子C』~『端子D』間がつながり、電流(大電流)を流すことが出来るようになります。
※流せる電流はリレーによって異なります。容量に合ったリレーをご使用ください。 - 『端子A』~『端子B』間に流れている電気が遮断されると、『コイル』に発生していた磁場が消滅し、『鉄芯』の磁力が失われます。
『鉄芯』の磁力が失われたことで、『可動接点』が『復帰バネ』の力で元の位置に戻り、『端子C』~『端子D』間が切り離されます。
リレーON動作
リレーの一連動作は、車両に取り付けた状態をイメージしています。
- 『電装品スイッチ』を入れます(=ONする)
- 『端子A』~『端子B』間に電気(小電流)が流れます
- 『コイル』へ電気が流れます
- 『コイル』に磁場が発生します
- 『鉄芯』に磁力が生じて磁石となります
- 『鉄芯』が『可動鉄片』を引き寄せます
- 『可動接点』が『固定接点』と接触します
- 『端子C』~『端子D』間がつながります
- 『バッテリー(+)』から『電装品』へ電気が供給されます
- 『電装品』が動作を開始します
リレーOFF動作
- 『電装品スイッチ』を切ります(=OFFする)
- 『端子A』~『端子B』間の電気(小電流)が遮断されます
- 『コイル』に流れていた電気が遮断されます
- 『コイル』に発生していた磁場が消滅します
- 『鉄芯』に生じていた磁力が消失します
- 『可動接点』が『復帰バネの力』で元の位置に戻る力が働きます
- 『可動接点』が『固定接点』から離れます
- 『端子C』~『端子D』間が切り離されます
- 『バッテリー(+)』から『電装品』への電気の供給が遮断されます
- 『電装品』の動作が停止します
リレーの種類
リレーの代表的な種類と回路図は以下のものがあります。
※下記の回路図は接点が『リレーOFF時』の状態です。
4極リレー (ノーマルオープンタイプ)
リレーOFF時: 端子3と端子4の接点が離れた状態
リレーON時 : 端子3と端子4の接点が接触した状態
4極リレー (ノーマルクローズタイプ)
リレーOFF時: 端子3と端子4の接点が接触した状態
リレーON時 : 端子3と端子4の接点が離れた状態
5極リレー
リレーOFF時: 端子3と端子4の接点が接触した状態 端子3と端子5の接点が離れた状態
リレーON時 : 端子3と4端子の接点が離れた状態 端子3と端子5の接点が接触した状態
本事項の用語説明
- 『リレーOFF時』とは、コイルに電気が流れていない状態です。
- 『リレーON時』とは、コイルに電気が流れている状態です。
- 『ノーマルオープンタイプ』とは、リレーOFF時に可動接点と固定接点が離れているリレーを指します。
- 『ノーマルクローズタイプ』とは、リレーOFF時に可動接点と固定接点が接触しているリレーを指します。